一般社団法人 日本インタラクティブ広告協会(JIAA)から先日公開された
~インターネット広告関係者が知っておきたい~ 測定ハンドブック
https://www.jiaa.org/gdl_siryo/siryo/20200730_sokutei_handbook/
をもとにお話しを進めていきたいと思います。

前提として、のお話です。
「佐賀モデル」
Google の分析によると、プロモーション予算の配分には一定の成功法則があります。それは、予算の構成比を「製作費 : 広告配信実費 : 運用分析費」=「3 : 6 : 1」に設定することです。広告製作費だけでなく広告の配信費用も充分にとること、さらに配信後の分析費も不可欠です。配信したデータを分析し、改善策を考え次々と実施することが、成果へとつながります。
https://www.thinkwithgoogle.com/intl/ja-jp/articles/video/saga/

「愛媛モデル」
効率的な目標達成のために、予算活用の構成比を「製作費 : 広告配信費 : 運用分析費」のそれぞれを「3 : 6 : 1」に設定しました。この予算構成比の設定は実は重要です。確実な成果を出すためには、広告制作費だけでなく配信費、そして成果を計測しデータを次に活かすための分析費の確保が不可欠になってくるからです。
https://www.thinkwithgoogle.com/intl/ja-jp/articles/ehime-promotion/

があります。プロモーション予算=製作費+広告配信費ではなく、分析費も用意する必要があります。というお話です。
何故、用意する必要があるのか、振り返り、改善し、成果へ繋げていくためです。分析費がなければ、作っておしまい、公開しておしまい、という状態です。社内等関係者への説明は、製作物の納品を以って、終了。という状態です。

プロモーション予算には、
①伝えたい情報やコンテンツを作るための製作費が必要です。製作費には、
①-1 企画のための分析・調査、戦略立案があり
①-2 コンテンツ製作のための、設計、デザイン開発、システム開発、撮影/取材等があり
①-3 更には、コンテンツ運用や検証があります。

②コンテンツを作るだけでは、知ってほしい人に情報を届けることができないため、広告などを通して知ってもらう施策費用が必要です。

②-1 広告等配信のための分析・調査、戦略立案があり
②-2 配信のための、コンテンツ作成、プラットフォーム機能の活用、運用分析のための測定準備があり
②-3 目標到達ための日々の広告運用や検証があります。

③成果へとつなげていくため、分析(費)が必要です。今日は③のお話しです。

目次には、「インターネット広告測定の誤解と実情」が最初にあります。業界団体がなぜこのような資料を作成したのか、解釈すると、仕事を依頼する側、仕事を受ける側の認識に違いが大きいと考えています。

ここでは、JIAAのハンドブック資料の問いや回答に対して、弊社見解も加えてみたいと思います。

JIAA問:『ネット広告って測定が容易で正確』って思っていませんか?
タッチベース答:測定設定一つとっても、複雑で、準備と期間が必要です。まず、施策の目的は何で、その目的を達成するため何を測定したいのか、オリエンテーションでしっかり目的を共有しましょう!

JIAA問:『ネット広告って正確に測れるのか』?
タッチベース答:正確ではないです。
お答えする例として、分析では、数値傾向を見て、この傾向からこんな風にしたら、もっと成果でるのではないのか、と改善を図っていく方がベターです。

JIAA答:プライバシー対応の強化に伴い『リマーケティング広告』の広告配信が困難になる。

タッチベース答:プラットフォームが益々有利に。企業・団体はどう利用するかの視点が必要。

JIAA答:クリック率は高い方がよいの?
高いクリック率を狙うと、結局は同じような人たちにしか広告が届かず、潜在的なニーズを持つユーザーを取り込むことができなくなる。長い目で見ると顧客の損失に繋がることになり、最適化を追い過ぎるのは逆にマイナスとなる可能性もある。

タッチベース答:クリックしない情報探索も増えている。
https://gigazine.net/news/20200714-google-search-expensive-traffic/
記事内容:ゼロクリック検索は56%から62%に上昇、広告のクリック率は3倍以上増加し全体の7.2%。特に指名検索、画像検索は顕著になると予想しています。スマホで情報を探したときに、目立つ場所に。(モバイルなので、広告も活用)企業の発信したい内容が一目でわかる=「クリックをしないでも判断できる」ことが益々重要になると考えています。

JIAA答:広告は「到達」して初めて「効果」が生じる。広告がどれだけのユーザーにどれくらいの頻度で「到達」したかによって、その先の「効果」の結果
が変わるため、「到達」と「効果」を分けて理解しておくことが重要

タッチベース答:ユーザーは広告関係者ではないので、びっくりするぐらい広告と認識していません。また、気に留めていません。目立つか、感情を動かせるかという視点で到達を考え、効果=売上/利益が最大化できるか と考えることが重要だと思っています。

分解すると様々な指標がありますが、最終的には、それをやってどの程度売れたのか、また、利益をどの程度最大化できたのか、が問われるわけですから。成果を出すためには、適切な予算と案件目標、数値定義の共有、関係者への説明が、いつもセットで必要です。