心地よい体験とは、普段私たちの生活なかでは、なかなか気付かないものかもしれません。逆に、心地よい体験でないものは、鮮明に覚えていることもよくある話です。

嫌なことは忘れないけど、よいことはすぐ忘れてしまう

心地よい体験の情報発信を、今後3か月にわたり、行っていきます。

コロナ禍を経て、ユーザーにとって心地よい体験とは何か考えていくためのきかっけとして、自らが体験した心地よい経験を共有し、体験改善のヒントになるではと考え、企画しました。

企業の商品やサービスは、あらゆる場や空間での情報や体験が購入に繋がっていきます。企業がコントロールできるもの、コントロールできないものがあり、コントロールできる箇所については、どんなポイントが良かったかを探っていきます。

Good Design 賞ならぬ、Good Experience 賞です。ここでは、企業名、商品名を伏せたうえで、事例をご紹介いたします。

あくまでも、心地よい体験とは、どんな体験かを広く浅く、時には深く、様々な視点からみていく、考えていくことを目的としています。では、はじめていきましょう!

事例① ユーザーへの選択肢の提示、気の利いたちょっと一言 事例

心地よい体験のポイント キーワード:選択肢、届け手の想いとユーザーの想いのシンクロ

【体験事例の流れ】 商品の持ち込み→修理御見積→追加修理の提案→商品修理完了→配送手配完了

2022/9/9 メールにて 修理見積/追加修理の提案内容

〇〇さま
こんにちは、■■■■■の△△と申します。いつも当社製品をご愛用くださいまして本当にありがとうございます。このたびは□□店へのご来店、ありがとうございました。お預かりいたしました〇〇を拝見いたしました。以下のお見積内容をご確認くださいませ。
▼補修内容
1. ——————————————————————–
▼追加補修ご提案
また、ご希望いただきました補修箇所の他に当社でも気になる箇所がございましたので、あわせてご確認くださいませ。
2. ——————————————————————–

↑では、修理内容について、直したい箇所以外に、メーカーとして気になる点をあげ、追加で提案し、料金を含めて提示された事例です。依頼内容だけでなく、製品の利用を考え、追加の提案をし、元の依頼の修理のみか追加提案も含めた依頼かユーザーが選択できる点が心地よい体験のポイントでした。修理などの場合、企業によっては、選択肢がない場合が多々あります。ユーザーの考えを尊重した提案は好感が持てるよい事例だなと感じました。

2022/11/8 メールにて 商品修理完了と配送予定のお知らせ

〇〇さま
こんにちは、■■■■■の△△と申します。お預かりしておりました製品の修理が仕上がりました。明日(11月9日)、当社から出荷を予定しております。---(中略)---
製品の出荷が完了しましたら改めてお荷物番号記載したメールをお送りいたします。
お預かりによりご不便をお掛けいたしましたがしっかりと大切に再仕上げさせていただきましたので引き続きお手元にてご愛用いただけましたら幸いでございます。今後とも製品を通し末長いお付き合いをどうぞよろしくお願いいたします。

↑メールの最後に記載された文章が、企業の想いとユーザーの想いがシンクロするよう、考え抜かれた文章で、心地よい体験でした。また、上記以外にも、製品の受取時には、手紙が同封され、「これからもお客さまの大切な時間に寄り添え続けていけましたら幸いです」との一言が加えられていました。

修理依頼から完了まで、企業の一貫性をもった姿勢と対応に、心地よさを覚えました。

最後に。

企業がユーザー体験を設計する際には、ユーザーの期待値の上限/下限を蓄積し、それを、顧客体験に組み込んでいくことが重要です。

社内で期待値の議論をすることが、顧客を理解するうえで、大切なプロセスではないでしょうか。

例えば、ユーザー対応で、メール、Chat、LINEなど対応でテンプレートを作成する際には、
①ユーザーの期待値
②心地よい体験であろう対応
③言葉の選び方
④問い合わせ導線のスムーズさ
⑤コミュニケーションの頻度と密度
などを念頭に、社内でディスカッションすることをおすすめします。

上記の事例では、ユーザーに適切な選択肢を与える、製品を大切に扱っている姿勢に共感することが、心地よい体験に繋がっていると考えています。

過剰サービスではなく、適切なサービスとは何かと問われれば、ユーザーの期待値(望むこと、当たり前だと思っていること)を下回ることなく、ちょっとの、ほんのちょっと期待を上回るサービスです。

そこに、企業の考え方がその企業のユーザー体験に現れるといっても、過言ではありません。

弊社が社内研修の資料として、活用している、名著「1分間顧客サービス」にも、ヒントが随分とあります。「物は売られるのではなく、買われるのだ。しかも、物だけでなく、物とサービスが」

ECやデジタル、店舗での顧客体験の設計から実行まで弊社で一貫性をもってご支援しております。
ユーザー体験に課題を抱えている、弊社の事例や解決策を聴いてみたいという方は、こちらよりお問合せください。

心地よい体験の想像は続いていきます。