事例③ 全体設計と現場のオペレーション 事例

心地よい体験のポイント キーワード:顧客体験に落とし込む重要性

【体験事例の流れ】 WEBでの商品閲覧→店頭での商品確認→店頭でのWEB/アプリ会員登録→商品購入

今回は、トラベルバック購入体験の話ですが、心地よい体験ではなく、改善が必要だと感じた顧客体験です。事例から、企業はどこに注意を払い、顧客体験を構築していくべきか、ヒントになればと考えています。

では、はじめていきましょう。

【体験の経緯】

商品購入あたって、Aというブランドの存在は知っていたが、いままでその商品を購入した経験はありませんでした。Instagramを閲覧していると、新商品の広告である投稿を拝見し、AブランドのWEB閲覧に至りました。購入の目的は、ギフト用で、おおよその予算とその人が喜ぶであろう商品を探していました。

WEBでは、店頭限定商品の案内があり、その商品を気に入ります。ただし、その商品の質感やサイズ感がいまいち分かりずらいため、実際の店舗に足を運ぶことにしました。

目星の商品の在庫があるお店の情報を確認したうえで、お店に足を運びました。当日は、その商品が展示されていなかったため、商品の名前と、在庫の有無を確認したところ、バックヤードに1点のみ在庫があり、購入することが可能な状態を確認しました。また、その他商品をみたものの、やはり目星の商品が良かったため、購入を決定しました。その後、店員の方からWEB/アプリから会員登録してもらえば、その場で〇%オフができます。特別キャンペーン中であることを聞き、会員登録をしました。問題はこの後です。

【顧客体験の課題】

店員の方が、スマホを見せてくださいと、自ら操作して〇%オフのクーポンありかを探そうとしますが、なかなか見つけることができません。もう1人の店員を呼び操作方法を確認しています。15分程待ち、ようやくそのクーポンを発見し、クーポンのバーコードを読み取ることができました。これで決済ができると思い、決済を終え商品を持ち帰りました。その後、自宅でレシートを確認すると、〇%オフが適用されず、会員登録の情報として、店頭での購入履歴が残っていませんでした。(本来であれば記録が残るもの)

ユーザーにベネフィットがある情報を活用してもらう場合、最後の最後まで気を抜くことができません。ここで、私が体験したことは、何のための会員登録であったのかと、購入したブランドに対して、疑問が残ったことです。昨今、顧客との繋がることの重要性が叫ばれています。顧客と繋がるために、会員登録などをWEB/アプリで実装を企画。ユーザーにメリットがないと会員登録数が伸びないため、企画(割引やプレゼント)を検討実施。

そのユーザー体験は心地よいものであったかどうかの検証は、やはり関わる人全員が振り返って検証する必要があります。

組織であれば、販促企画担当、マーケティング担当、店舗運営担当と部署が異なるケースがあるかもしれません。人を介せば介すほど、本来の目的、ユーザー体験の向上、もっと便利に使ってもらおうというところから、企画→WEB/アプリの制作会社への落とし込み、企画→店舗スタッフへの落とし込みで、あらぬ方向へ行ってしまう、リスクが多分にあると考えています。

上記の例は一例ですが、そのように、心地よくないなという体験を生んでしまう可能性がどの企業でもあると、私は考えています。新人でも大ベテランでも上司でも、そのような可能性をもっています。

【顧客体験改善のポイント】

ユーザーに本来の意図が伝わっているか
ユーザーに正しく伝わるまでの知識や研修、検証は十分か

そこを考え実践できる差がブランドを形成するうえでの重要な点であると、自らの経験を通して得られた知見です。

ECやデジタル、店舗での顧客体験の設計から実行まで弊社で一貫性をもってご支援しております。
ユーザー体験に課題を抱えている、弊社の事例や解決策を聴いてみたいという方は、こちらよりお問合せください。

心地よい体験の想像は続いていきます。