事例⑤ 自社都合を優先していないだろうか

心地よい体験のポイント キーワード:自らがユーザーとして利用してみる

最近読んだ著書のなかで、問題提議されている箇所にはっとさせられました。

最近読んだ著書のなかで、問題提議されている箇所にはっとさせられました。
著者:Anker Japan 代表取締役CEO 猿渡歩  書籍名:1位思考
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(抜粋)工数削減のために、カスタマーサポートの電話を廃止したり、
連絡先自体をあえてわかりにくい場所に掲載したりする企業も増えているが、
自社の都合を優先させすぎてはいないだろうか。アンカー・ジャパンは
今後もメール、チャット、LINE、電話とフルで対応していきたい
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顧客と向き合う企業姿勢には、好感が持てますし、また、顧客の声から
スピーディーに製品を改善している姿勢がアンカー・ジャパンには、
常にあるのではないではないでしょうか。

一方、
・WEB/アプリのサービスでも解約の手続きが非常に分かりにくい、
辿り着かない、何度もステップを踏ませる。

・チャットサービスで、AIによる質問で、順に回答していったが、
解決したいことが解決せず、最終的に人につながるまで、長時間待つ。

・電話でカスタマーサービスに問合せする段階で、プッシュ式で
質問に答えていくが、最終的には、違う電話番号にかけてください。

このようなサービスや体験が世のなかに山ほどあります。

再度、自社都合を優先させすぎてはいないか。
もしくは、自部署都合を優先してはいないか。

とサービス設計を行ううえで、問いかける。またはリリースの段階で、
再度一ユーザーとして、体験し、違和感がないかどうか確認してみる
ことが重要です。

昨年には、あるビジネスツールで、利用者に強制的にアンケートをとり、
1日で強制アンケートを撤回した事例などありました。

具体的には、ポップアップで画面いっぱいに、アンケートの案内を行い、
アンケートに答えない限り、サービスを利用できない状況にした。

上記事例で、Twitterの声を拾い可視化してみたのが、下記の図です。

1日で撤回したとは言え、ユーザーからネガティブな感情や怒りの感情が
噴出してしまったことは否めません。噴出しないものを想定すると
企業へのイメージ変更は計り知れません。

企業の目的としては、『利用者を知る』 ことでしたが、利用者を知る
努力を企業都合で強制的に実施したことが、問題の原因です。

なぜ、そのようなユーザー体験を組み込んでしまったのか、
推測ですが、アンケートをとるなら、やっぱり全員がいいよね。
全員に回答してもらうためには、このような仕様がよいのではないのか、
と目的が「全員にアンケートを取る」にどこかで変わっていったのかも
しれません。いずれにせよ、企業がユーザーの声に耳に傾け、真摯に
対応していく姿勢は、ユーザーは既に気付いているのではないでしょうか。

よい意見もあれば、シビアな意見も当然ながらあります。

昨年末、ユーザー向けに実施した、あるサービスのユーザーの声です。

ユーザーの声が、ポジティブな感情とネガティブな感情がちょうど半々と
意見が分かれているものです。

様々な事例を扱いましたが、普段から一ユーザーとしての使い心地の視点
をもって、良い点、もっとこうしたらよいのにはという点を探る姿勢で
いくと自社のサービス開発に活かせるのではないでしょうか。

ECやデジタル、店舗での顧客体験の設計から実行まで弊社で一貫性を
もってご支援しております。ユーザー体験に課題を抱えている、
弊社の事例や解決策を聴いてみたいという方は、
こちらよりお問合せください。

心地よい体験の想像は続いていきます。