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はじめに
10月6日のサモア戦に38−19で勝利し、日本中に再び感動と興奮を与えた日本チーム!ここぞの場面での得点は、日本が強豪国と対峙できる力が備わっているからこそです。来週10月13日のスコットランド戦でも、勝利を期待しています。
さて、先日のアイルランド戦でアイルランドチームのユニフォームの背中にポケットがあるのを皆さんご存知でしたでしょうか?
スポーツの世界でも、試合中の選手データを活用するのは、現在の潮流ですが、ポケットがあるのは、選手のトラッキングを行うため、器具を入れるためです。ちなみに、アイルランドは、自国の会社 STATSports APEX/Viper System を利用しています。
https://statsports.com/
トラッキング器具のスペックを見てみると、重さは45g、板チョコ1枚の重さ程度。重さだけをみると、ラグビー選手にとって、大きな負担にはならない重さでしょう。
器具により測定できる指標を見てみると、
走行距離、平均速度、1分間の走行距離、現在の速度、最大速度、加速、減速、心拍数、位置情報(ヒートマップ)等16の指標があります。過去の試合や練習中の選手データを集計することにより、当日の選手のコンディションがデータをもとに、コーチが判断できるようになっているのでしょう。
ラグビーの現在のルールでは、リザーブメンバーとの選手交代が可能です。試合状況によりどのタイミングで、どの選手を投入するかが重要です。また、次の試合に向け、どのメンバーを早めに交代させるかなど、戦略的交代も見所の一つです。
A選手は、走行距離5kmを超えると、平均速度が落ち、タックルミスの確率が上がる
B選手は、過去の最大速度より20%低い、コンディションが万全ではないのか
などデータを通して選手状態が把握できれば、交代の検討に活用できる指標となります。チームとしての力を80分間維持する為に、個々の選手データを判断材料の一つとして、データを活用する ことが重要視されています。
映像データからの分析
トラッキング器具を利用することもさることながら、映像データから分析していく方法もあります。
世界の強豪チームの選手達は、
ディフェンスでは、タックルしてから再度立ち上がるまでのスピードが早い
アタックでは、敵陣位置でのラックからの玉出しが早い
上記項目は、身に付けた器具だけでは測定できない 指標なので、映像などを通して、数値化されます。日本では、スポーツのデータ集計、分析で著名なデータスタジアム株式会社がデータスクラムというサービス名で、試合映像を人が項目に沿ってデータ化し、分析できるソフトがあります。
単純な測定項目だけではなく、現段階で人間の判断が必要なデータ項目も、リアルタイムで、データ化されていくのでしょう。
日本の強さも、映像を通して、数値化できる部分を他の強豪国と比較して見たいものです。上記のような項目ではなくても、簡単な指標であれば、30項目
公式ホームページ https://www.rugbyworldcup.com
に個人/チームのデータが拝見でき、改めて、可視化してみようと思います。
計測数値以外に大切なこと
ただ、数値だけではないのがスポーツです。メンタリティもやはり重要です。
前回のワールドカップでは、エディーさんが、メンタルコーチ荒木香織さんを招聘したように、
今回のワールドカップでは、ジェイミーさんが、アイルランド戦を前に選手に、勝つのを信じているのは自分達だけだと、
選手を鼓舞したように、目標ベスト8に向けて、自分達は勝つんだというマインドが全員(選手、コーチ、スタッフ)にあったからこそです。
目標に向けて準備する
目的を持ってデータを活用する
信念を持ってチームで行動する
仕事にも通じる部分があるのではないでしょうか。頑張れ、日本!