10月より、東京都がGotoキャンペーンに加わり、広島市内でも、旅行者の往来が更に増えた実感がします。

以前より、出張回数と頻度を挙げているのですが、飛行機/新幹線に乗車する実感では、8月の30%から10月は80-90%です。

先日搭乗した飛行機で「?」の事例とともに、
小さな顧客体験が与えるインパクトについて考えてみたいと思います。

小さな子供を連れての移動は本当に大変です。
赤ちゃんは、いつ機嫌を損ねてもおかしくない状況で、駄々をこねたり、泣き出したり、あやす母親や父親は、狭い機内空間のなか周囲の目を気にしながら、対応されています。

搭乗時、小さな子供や障害のある方に配慮するため、搭乗ゲートの通過は、優先アナウンスが流れ、最優先で搭乗が可能なのは、コロナ前でも、コロナ禍でも同様です。

私がふと「?」おかしいなと感じたのは、飛行機が着陸し、降りるタイミングです。コロナ禍でも、搭乗率が上がっているため、座席番号順から、出る指示がありましたが、搭乗前とは違い、小さな子供や障害のある方が優先されず、番号順の案内でした。

搭乗中、子供の機嫌が悪く泣いて、あやされていた母親の方が、ベルト着用サインが解除され次第立ち上がり、子供をあやしをはじめました。おそらく、クルーの方もその様子をみていたと思うのですが、マニュアルどおり、番号順からの案内でした。その場面に遭遇し、マニュアル対応、配慮に欠けた対応という印象が残ってしまいました。アナウンスでなくても、その母親の方に一言声を掛ける、といった対応ができない。

クレーマーになるつもりはないのですが、コンビニ/スーパー/ファミレス/居酒屋で接客に対して意見を言う人は少ないでしょう。(コンビニでも心地よい挨拶をするおばちゃん、居酒屋でも気持ちのよい対応をする学生バイトくんは必ずいます)

少し高いお金を払って、その空間での心地よい体験や体感を求めている場合は、逆です。私は、不快感を与えるぐらいであれば、人間が介在しない方が、体験が心地よいと思っています。機内の例であれば、マニュアルどおりであれば、自動アナウンスで十分だと思います。

別体験でも、保険契約更新のため、説明にあがりたいと、平日日中電話があり、お約束したのですが、その営業の方が、初対面でまず時間に遅れてくるといった事態で、迷惑でした。契約更新だけであれば、電子署名で対応してくれ、その人がこない方が、早く手続きが進むと考えてしまいます。
また、ソフトウエア更新の手続きで、いつ手続きしますと、営業担当者に言っているのに、永遠とリマインドメールを送り続ける会社もあります。

コロナ禍で、面会や外出を減らす、など対面や体験の機会が減ることはあっても増えることはないでしょう。このような状況だと、一度のみの体験がその後の購入や利用を左右するといっても過言ではありません。先述の例で、母親にとっては、帰省や旅行など非日常の体験です。配慮がない対応だと、次から他にしようと、黙って、お客様は去ってしまいます。

違う視点から推測すると、
体験を左右するのは、その場にいるスタッフが成すものです。スタッフの仕事そのもののモチベーションが下がっているのかもしれません。子どもがいない若いスタッフだから、対応できかねる。いろんな理由があるかもしれません。

ただ、あなたのことを気にかけていますよ というメッセージ(配慮) がなければ、お客様は離れてしまいます。
この企業、この場所で体験してよかったという場面は必ず、あなたのことを気にかけていますよ というメッセージが含まれています。

調子が良いときは別して、調子が悪いときこそ、真価が問われる、企業姿勢が垣間見れるのでしょう。

古い本ですが、社内研修用にも利用している、サービスの本質とは何かを教えてくれる名著「1分間顧客サービス 熱狂的ファンをつくる3つの秘訣」はオススメです。

同時に、最近、人間が担う仕事とは何か を考える機会が、多いです。