「心地よい体験事例」の今回は第4回です。 

事例④  オンラインのみで商品を体感&納得してもらう事例

心地よい体験のポイント キーワード:オンライン体験を実店舗体験に近づける工夫・ユーザーのお悩み解決


【はじめに】 

商品によっては、オンライン上では商品の詳細が伝わりにくいものもあります。 

ユーザーにとっては、実店舗があるなら商品を実際に確認したいところですが、それができない場合、オンライン上の情報のみで購入することになります。 

そして、商品が到着し実物を見た時、「期待外れだった・思っていた商品ではなかった」場合、ユーザーの満足度が下がったり、返品などの対応に追われるケースもあります。 

オンラインのみの販売でも、工夫をすることでユーザーの満足度を上げるお買い物体験ができると考えます。 

今回はオンラインショップでの生地の購入の際の心地よい体験です。 

【体験事例の流れ】

①オンラインショップで商品を探す→②サイトでの注意喚起→③サンプルの取り寄せ→④購入

①オンラインショップで商品を探す 

これまでもオンラインショップで生地を購入したことがありますが、思っていた生地と違ったということが多々ありました。また周りに聞いてみても、同じような人が多い印象です。 

洋服やカーテンなどの布製品では共通ではないかと思いますが、色がモニタにより異なって見えるということは、認識している人が増えていると思います。 

布製品では色以外にも、生地の厚み・透け感・模様の大きさなど、オンライン上では伝わりにくいポイントが複数あります。 

より実物に近いイメージで掲載できるよう写真撮影は重要です。動画で実際に手に取った時の様子を伝えるのも効果的です。

また大きさがわかりやすいよう、比較対象物を置いた画像も「思っていた商品と違った」を防ぐことができます。

私が閲覧していたサイトでは写真以外の方法で、商品詳細を伝える工夫をしていました。

②サイトでの注意喚起

購入しようと思っていた生地には下記の記載がありました。

「この生地はモニタによって見え方に大きく差が出ます。サンプルの取り寄せをおすすめします。」

すべての生地に記載されているわけではありません。

わざわざこのように書いてあるということは、よほどこの商品の画像は実物と異なるのではないかと受け取りました。

サンプルは有料でしたが、上記の一文を読んで不安になったので、取り寄せることにしました。

上記①の写真以外の商品を伝える工夫は、この「サンプル」です。

サンプルの取り寄せは時間も費用もかかるので、「早くほしい」「費用を抑えたい」という気持ちがあるユーザーに対して、「それでもおすすめです」という点を明確に伝える必要があります。

購入されたら終わりではなく、ユーザーにとっての”心地よい体験”は購入後にもあることを考えられていると感じました。

③サンプルの取り寄せ

3種類までは同料金で取り寄せ可能ということで、他にも気になっていた生地を選んでサンプルを受け取りました。

ポスト投函で3日ほどで届いたので、ストレスはありませんでした。

色味は小さいサイズでもわかりますが、厚みや柄はある程度のサイズがないとわかりにくいものです。

届いたサンプルは大きいサイズの生地見本もついており、ユーザーの知りたい点を捉えられている と感じました。

実店舗と同じように触って確認できたことが、心地よい体験でした。

④購入

サンプル取り寄せ前にほぼ購入を決めていた商品以外にも、ついでにという気持ちでサンプルを取り寄せた生地も購入しました。 これはサンプルがなければ、購入していなかったものです。

今回は事前に商品(の一部)を確認できたことで、納得して購入の意思決定ができ、その後実物を見た時も、思っていた通り!という気持ちでした。

購入時だけでなく、その後まで心地よい体験ができたと言えます。

ユーザーが商品を選ぶ際にネックになっていることや、購入後にマイナスに思ったことなどを拾い上げ、それらを改善していく施策を実行することで、今後のユーザーの心地よい体験は作っていけるのではないでしょうか。